<受賞作品に対する講評:中学生の部>
 (注)金賞についてはタイトル部分をクリックしていただくと応募作品を見ることができます。

金賞: 「発酵を銀溶液で止める」
           多摩大学聖が丘中学校3年2組21番  井上 真理様


 課題に取りかかる前段階の「銀溶液」を作ることから、ていねいな実験、観察、記録がなさ
れています。写真による銀溶液の通電時間による変化の記録と共に、肉眼で観察した溶液
の濁り具合をグラフに表そうと試みたことは、実験の精度はさておき、大変独創的なものです。
 なお、液のにごりぐあい=銀溶液の濃度と考えているようです。「銀溶液を2日間置たら濃度
がうすくなっていた」という観察の結果と併せて、「濃度とは?溶液とは?」をもう一歩追究して
みると、実験結果にさらに厚みが増してくると期待しています。
 さて、本題については、例示された課題ではなく、自由課題にチャレンジしました。
菌(ナットウ菌と乳酸菌)の働きによる発酵を取り上げたことは、大変良い着眼です。腐敗では
菌の正体や働きを簡単には特定できませんが、ともに菌の正体と働きがつかめており、結果を
導きやすくしています。対照実験をしっかりとおさえているところも立派です。
 こちらでも、写真を有効に活用して、経過と結果が手に取るように見て取れます。大変説得力
のあるレポートと言え、素晴らしいと思います。
 実験に比して、考察があっさりとしすぎているのが惜しいですね。準備の段階で、銀溶液の
濃度にこだわって観察しています。今度は、濃度によって結果に変化が生じるのかどうか、
追加の実験にチャレンジして欲しいと願っています。


銀賞: 「金属「銀」の不思議」
             調布市立第七中学校2年1組5番  伊東 優樹


 課題にそって着実に実験を進めました。2種類のジャガイモを使って実験を進めたところで、
ジャガイモの個体差(品種差)に気付き、今度は1個のジャガイモで再実験しています。
 大変良い気づきで、たくさんの写真を使い、きちんと整理されたレポートとも併せて、緻密な
実験態度がよく表れています。
 事務局に何度も質問したとありますが、前向きな姿勢も立派です。
 機会があれば、他の課題についてもトライして下さい。


銅賞: 「Ag+の殺菌力」
             多摩大学聖が丘中学校3年2組10番 佐々木正暁様


 写真を有効に活用した結果の表示が明解です。また、クローズアップの技術が高く、何も浸け
ていないジャガイモの写真は、迫力があります。
 写真に頼りすぎている傾向がなきにしもあらず、というところは少し気になります。文章で補完
することができれば、さらに良いレポートになったと思います。