日本イオン株式会社


   24時間風呂のレジオネラ属菌汚染の対策
《バイオシステムを採用している24時間風呂の場合》

 現状の殺菌装置の評価と日本イオンからの提案

  現状の殺菌装置の評価

1)紫外線殺菌

 紫外線殺菌は、流水に紫外線を照射することによりレジオネラ属菌やバクテリア
を不活性化させ、初期のスライムの成長をおさえ防止する方法である。ただし、
水の循環を停止した場合に冷却水系に水が滞留するため、バクテリアが最も繁殖
しやすい状況になるので、必ず連続運転することが必要である。また、紫外線は
ランプの表面の汚れによって、短期間で紫外線透過率が低下する。従って、効果
的に紫外線を用いるためにはランプの表面の汚れを、頻繁に掃除する必要がある。
しかし、現状の24時間風呂などではランプの掃除がし易い構造とは言えず、メンテ性
に問題がある。

2)オゾン殺菌

 オゾンガス自体は、非常に微量でも人が吸い込むと気管支や肺細胞を炎症を起
こす 非常に危険なガスである。実際の24時間風呂では、人に危害が及ばないよう
な構造上の工夫、つまり高濃度のオゾンガスが発生しないような構造となっている。
つまり、殺菌効果はあまり期待できるものではなく、実際にフィールドテストでは
オゾン殺菌を装備している24時間風呂でも、レジオネラ菌汚染が観測されている。
 このような殺菌効果が不十分なオゾン殺菌装置がなぜ24時間風呂に装備されて
いるかというと、それは湯中にオゾンガスを吹き込むことによって、水中の溶存
酸素(溶け込んでいる酸素ガス)を多くできるという2次作用を、24時間風呂の
メーカーは重要視しているからである。つまり、湯中に溶存酸素が多くなると、
バイオ浄化作用のもとである有用バクテリアである好気性細菌の健全に育成させ
るための環境としては、非常に都合が良くなるからである。もし、湯中から溶存
酸素が消滅してしまえば、24時間風呂は嫌気性細菌が増殖し、浄化機能は全く
無くなってしまう。
 つまり、殺菌装置としては不十分なものでも、バイオ浄化作用のためには、オ
ゾン装置は外せないのである。

3)殺菌殺藻剤

 レジオネラ属菌は約2週間で増殖するので2回/月の定期清掃を行い、殺菌殺藻
剤を注入して藻の発生とスライムの発生を防止すると良い、と言われているが、
実際には、2回/月の定期清掃はなかなか困難であり、一般的に使用されている
殺藻殺菌剤の塩素系薬剤は、バイオシステムの破壊、機械の腐食、塩素系薬品特
有の皮膚への刺激感や薬品臭の問題や、排水中に有機物と結合することによる有
害な有機化合物を生成する恐れもあり、一面では環境汚染という問題が発生してくる。
 実際検査してみるとレジオネラ属菌は塩素系薬剤に対し比較的強く、残留塩素が
1.25 mg/l維持では15分間で死滅するが、0.65 mg/lでは60分間でも死滅しない。
通常の遊泳プールでは残留塩素は0.4〜1 mg/lに維持されているが、かなり、
塩素臭が強い。はたして、水道水に含まれている塩素が嫌だからと言う理由で
24時間風呂を購入し使用しているユーザーが遊泳プール以上の塩素の投入をする
であろうか。
 また、バイオシステムを採用している一般的な24時間風呂などでは、塩素系
殺菌殺藻剤を高濃度の状態で維持すると有用バクテリアを死滅させてしまい、バ
イオ浄化作用が機能しなくなるというジレンマをかかえている。
 その他の殺菌殺藻剤としては、シアネート系薬品や有機シアン系薬品、有機ハロ
ゲン系薬品などがあるが、レジオネラ属菌に対しては殺菌効果が遅効性であったり、
毒性が強くお風呂への実際の使用には、さらに問題が多い。


  日本イオンからの提案

3)銀イオンによる殺菌

 銀イオンは各種のバクテリアの細胞に強く吸着し、バクテリアの細胞酵素をブロ
ッキングして死滅させる。バクテリアを制御することにより、スライムや藻の発生を
防止することが可能である。銀イオンはレジオネラ属菌に対しても殺菌作用が強く、
蒸留水に混入させたレジオネラ属菌に対しても微量で短時間の作用で殺菌効果を示す。
銀イオンの殺菌効果により、発生する有機物は減少し原生動物や水中懸濁物も減少
する。したがって水が澄んだ状態になる。しかし、塩素系殺菌殺藻剤と同様に
銀イオンの強い殺菌力によりが有用バクテリアを死滅させてしまい、バイオ浄化作用
が機能しなくなるというジレンマをかかえている。
 ただ、銀イオンは塩素系薬品のような機械の腐食、塩素系薬品特有の皮膚への
刺激感や薬品臭の問題、環境汚染の問題などは無いので、バイオ浄化作用の機能よりも
レジオネラ属菌対策を優先したいという場合の手段としては採用できる。
 銀イオンを24時間風呂のレジオネラ属菌汚染の防止に利用させたい時には、その
作用時間を非常に短時間(銀イオンの発生時間を2分間から数10分間程度)に
すると良い。銀イオンを短時間作用させることで、バイオ浄化作用の機能を低下
させずに、バイオ浄化作用のもとである有用バクテリアを死滅させることなく、
湯中に浮遊している一般細菌やレジオネラ属菌のほとんどを死滅させることができる。
ただし、24時間風呂の構造や組み付けられている殺菌装置(紫外線殺菌装置や
オゾン殺菌装置との相性などが効果的な殺菌には、十分に考慮されなければならず、
今後の24時間風呂の製造メーカーによる取り組みと研究が期待される。
 なお、以前からレジオネラ属菌が問題となっていたクーリングタワー冷却水の場合
は、クーリングタワーという特有の水質から銀イオンの殺菌効果が減少することが
確認されているので、現在ご利用はお勧めしていません。 

4)銅イオンによる殺藻

 銅イオンは藻類に強く吸着し、藻類の生育を阻害し死滅させ、藻類の発生を防止
する。銅イオンはレジオネラ属菌及び細菌類を死滅させる効果は銀イオンより低い。
したがって、銅イオンを適正な濃度で利用することにより、24時間風呂の有用バク
テリアを死滅させることはなく、バイオ浄化作用を正常に機能させることが可能で
ある。
 レジオネラ菌は藻類やアメーバーと共生して増殖するので、レジオネラ属菌が混入
してきても、藻類は銅イオンで防止し、スライムはバイオ浄化作用や紫外線殺菌
あるいはオゾン殺菌などで抑制されていれば、結果的にレジオネラ属菌汚染への
予防と対策になる。
 銅イオンは塩素系薬品のような機械の腐食、塩素系薬品特有の皮膚への刺激感や
薬品臭の問題、環境汚染の問題などは無い。24時間風呂では自然な入浴感が重要視
されるので、「銅イオンによる殺藻」は24時間風呂のレジオネラ対策として有力視
されている。



レジオネラ属菌について、詳しく知りたい方は
 東京都立衛生研究所ホームページ へどうぞ。

カタログ資料のご請求は、メールでどうぞ。

  

 Home 

 会社概要

 製品紹介 

ニュースの箱

 資料請求 

 社員募集 

 リンク 

*1996年に旧社名『日本商工株式会社』から、新社名『日本イオン株式会社』に社名変更しました。
*当ホームページで使用されている画像、文章に関しては、当サイト(日本イオン株式会社)が著作権
 ないし使用許諾件を所有いたしております。当サイトの許可なく使用・転載することを禁止します。
Copyright on JAPAN ION Corporation. All Rights Reserved.
更新日:2003.4.15