銀殺菌の正しい知識
日本イオン株式会社
代表取締役 中島 有二
(2006年11月18日)不許複製

銀の殺菌力を利用する3つの方法
   
   現在、銀の殺菌効果を利用するには、主に次の3つがあります。

  @銀イオン水
  A銀系抗菌剤
  B
銀ナノ粒子(銀ナノ粉末、銀ナノ溶液とも呼ばれる)

これら3つは、銀の存在形態と殺菌原理がつぎのように違っています。

@銀イオン水
銀イオンは、原子としての銀(Ag)から電子が外れた陽イオンとして存在している銀イオン(Ag+)の形態であり大きさは銀原子とほぼ同じで200ピコメートル(1兆分の1メートル)程度のいわゆる原子の大きさで3種の中では一番小さいサイズで、水分子の中で単独遊離していることに特徴がある。基本的には水の中にイオン状態で存在し、銀イオン水として利用される。主な製法として水中の純銀電極に電流を流して銀イオンを発生させる電気分解法と銀イオン成分を含む化学薬品を水に添加する薬剤法の2種が一般的である。
銀イオンは各種のバクテリアの細胞の中に浸入してバクテリアの細胞遺伝子の分離をブロッキングして死滅させます。
銀イオン水は、他の方法と比較すると、低い銀イオン濃度で殺菌効果が認めれています。例えば、大腸菌に対しては0.05ppmの銀イオン濃度を含有する銀イオン水で充分に強い殺菌効果があります。
銀イオン水はお風呂のレジオネラ属菌汚染の防止にも利用され、肌にも環境にも優しい殺菌方法として、注目を浴びています。

A銀系抗菌剤
  ※準備中



B銀ナノ粒子とは、金属状態の銀を(10億分の1メートルの粒子)
  ※準備中

   
銀の殺菌効果(アリゾナ大学のレポートより)
   
  アリゾナ大学において、銀の殺菌効果を評価テストした結果、ほとんどの病原菌に対して殺菌効果があることが証明されました。
効果の認められた細菌とウイルスの中でも代表的なものを下記します。


ブドウ球菌 対塩性があり、化膿性炎症として膿皮症、中耳炎、肺炎、敗血症、心内膜炎、骨髄炎などの他に食中毒の原因となる。
サルモネラ菌 チフス性疾患や急性胃腸炎を起こし、髄膜炎、関節炎などをも引き起こす。
赤痢菌 細菌性赤痢を起こし、水を介して経口感染する。大腸粘膜細胞内に進入して化膿性炎症を起こす。
クレブシェラ 気道、尿路などから感染し、敗血症を起こす。
レジオネラ屬菌 水中あるいは土中に存在し、人が飛散した水滴を吸引することにより(気道感染)、肺炎などを起こす。
シュードモナス 水中に分布し、多くの菌種が消毒剤、紫外線、抗菌剤に抵抗性で難治性感染症の原因になりやすい。
ポリオウィルス 小児麻痺を起こす。経口的に感染して咽頭や腸管で増え、その後血中に出て中枢神経系に達し、主として脊髄前角の運動神経を破壊し、四肢に麻痺を起こす。
ロタウィルス 乳幼児の下痢症(仮性コレラ、白痢)、学童の集団下痢症の主な原因ウィルスである。
ヘルペスウィルス 持続感染を起こしやすく、水痘・帯状疱診ウィルスを含む。

注:上記以外にも多くの細菌とウィルスに効果があることが認められています。

   
銀殺菌の特長
   
  長所、
@現存する合成殺菌剤と比較すると、より広範囲の種類の細菌に対して抗菌効果を発揮する。また、耐性菌ができにくい。
A微生物には毒性を示すが、人や動物にとっては安全性が極めて高い。
B他の殺菌剤との併用により殺菌力が増強される。
C殺菌持続性(抗菌力、静菌力)が優れている。

欠点
@銀は塩素などのハロゲン系成分と結合してハロゲン化銀となると殺菌力が減少する。
A一般的な合成殺菌剤よりも高価である。
 
銀は人や環境に安全なことが確認されています。
   
   銀は、古くから食器として使用されていたり、歯科医が入れ歯に純銀を使用したり、目の感染病の治療薬として硝酸銀溶液を使用したりするることもあります。今まで、銀が明白に人体に有毒であるという説は報告されていません。時々、水俣病の原因となった『水銀』を『銀』と勘違いし、銀まで有毒だと思い込んでいる人がいますが、銀は有毒な水銀とは元素記号が異なるように全く違う物質です。人が銀は多量に摂取しない限り無毒なのです。
 実は銀(Silver,元素記号Ag)とは、非常に古典的な物質で、抗菌剤だけではなく、食品添加物として使われることが許可されている安全なものです。
実際の使用例、製菓材料の砂糖菓子のアラザンや、昔ながらの清涼剤である仁丹の表面の銀色には、銀箔が使われてます。
また、水道の蛇口に付ける浄水器にも銀が使われております。塩素が法令化で多用される以前は、日本でも直接飲料水の殺菌に利用された実例もあります。
 飲料用水に含まれうる金属イオンで有害性を認めうるものについては、日本の水道法の水質基準によって指標値が決められているのが普通ですが、銀に関しては指標値がありません。カナダでは当初0.05mg/lの規制値がありましたが1989年の飲料水品質用のガイドラインから銀を削除しました。
米国環境保護局(USEPA)の飲料水規則でもPrimary standard(NPDWRs 水道水で守らなくてはいけない基準)では銀は規定されず、Secondary standard(NSDWRs 必ずしも守っていなくてもいい推奨基準)のほうで0.1mg/lの規制値があるのみです。
世界保健機構(WHO)によっても、銀化合物による発癌性、急性暴露、慢性暴露による人体への影響はなく、0.1mg/lの銀の含まれた水を70年間暴露してもNOAEL(害にならない最大量)に満たず害はないとされています。(毎日2リットル、0.1mg/lの銀の含まれた水を70年間飲んだとしてもNOAELの半分)
また、銀イオンは塩化物イオンと結合して不溶性の塩になります。銀イオンは胃酸の中の塩酸に触れるとたちどころに不溶のAgClとなり、人体に吸収される心配はありません。(飲み込んだとしたらそのま
ま体外に排出されます)
   
銀は食品や飲料水の保存に使われています。
   
  その一つの例として、東南アジアの仏教国では、僧侶が早朝の托鉢に出るとき、大きな銀製のボールを持参し、ご飯や料理を入れて貰う風景をテレビなどの映像で見たことがあると思います。これは高温多湿な地方での生活の知恵で、銀製の器に食べ物を入れることによる防腐効果を経験的に学んだ結果と思われます。
   
銀にはポジティブな薬効が確認されています。
   
  1912年から1916年にかけて、Lancet, British Medical JournalやJournal of American Association of Obstericians and Gynecologists等の世界的な医学雑誌に銀溶液(コロイダル・シルバー)の薬効についての報告がたくさん発表されています。
◆米国では20世紀初頭から銀溶液は感染症予防なのの目的の民間サプリメント(健康食品)として市販されています。
◆漢方医学では、銀は身体の調子を整える薬効が認められています。
   
金属アレルギーについて
   
  金属アレルギーは一度起こると一生続くことが多いので、なかなかやっかいですよね。
厚生労働省の調査によると、皮膚トラブルで一番多いのは、やはりアクセサリーによるアレルギー性接触性皮膚炎で、その原因の約80%は金属だといわれています。
ピアスの場合、特に耳たぶを通してつけますから、金属が直接皮下組織と接触し、組織液によって微量ながら溶けだします。そのとき金属イオンが体内に取り入れられて、アレルギーを起こすといわれています。
例えばアクセサリーに用いられる金属の中で最もアレルギーの原因(アレルゲン)になりやすいのはニッケルです。ニッケルは、他の金属に比べて溶けだしやすく、汗をかけば、汗に含まれる塩素イオンの作用で、より溶けだしやすくなる性質を持っています。
露天や激安ショップの中には、ニッケルの含まれる粗悪なシルバー(ニッケル・シルバー)を売っているところもあるので気をつけましょう。(SV925の刻印がはいっていてもです。
安全だと思われている金でもアレルギーになることがあります。(じつは、金は溶け出しにくい代わりに一旦体内に入ると非常にかぶれやすい金属なのです。また一般的な18金には12.5%もの銅が含まれています)
銀はどうでしょうか?
1987年東京都済生会中央病院皮膚科の金属パッチテスト調べでは、銀でアレルギーになった方はいなかったようです。そう、銀は極めてアレルギーになりにくい金属なのです。
   
塩化銀の化学的考察
   
  銀イオンは容易に塩化物イオンと反応し、塩化銀の白色沈殿を生じる。
Ag+ + Cl- → AgCl


塩化銀の沈殿に
アンモニア水(NH3)を加えると、ジアンミン銀イオン(銀アンモニアイオン)を生じて沈殿は溶ける。
AgCl + 2NH3 → [Ag(NH3)2]+ + (Cl-)

塩化銀の沈殿にチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)溶液を加えると、ビス(チオスルファト)銀酸イオン(銀チオ硫酸イオン)を生じて沈殿は溶ける。
AgCl + Na2S2O3 → 3Na+ + [Ag(S2O3)2]3- + (Na+ + Cl-)

また、塩化銀に過剰のシアン化カリウム(KCN)溶液を加えても、ジシアノ銀酸イオン(銀シアンイオン)を生じて沈殿は溶ける。
AgCl + 2KCN → K+ +  [Ag(CN)2]- + (K+ + Cl-)