日本イオン株式会社
銅の性質と抗菌性 平成10年3月 銅は、有毒であるといわれていたが、実は、小さいコイン(2g)を毎日
銅の衛生学的研究:社団法人 日本銅センター
食べるくらいの多量を接取するのでなければ、まったく問題なく、それ
どころか、微量の銅は人体にとって必要な成分である。また、銅には優
れた抗菌性があることがわかり、抗菌繊維製品にも取り入れられてきて
いる。
銅がどのような性質を持ち、抗菌性を示すのか紹介する。1.銅の性質
−乾いた大気中では…−
4Cu+O2→2Cu2O(銅の赤色はこの皮膜による。)
さらに 2Cu2O+O2→2CuO(暗赤色)
銅が水と接触すると、まず亜酸化銅(Cu2O)の皮膜ができ、
この皮膜は銅表面に均一に緻密に形成されるため、これ以上腐食は進行し
ない。さらに空気中に放置すると亜酸化銅(Cu2O)からより
安定な酸化銅(CuO)の暗赤色の皮膜ができる。−湿った状態で炭酸ガスがあると…−
2Cu+CO2+H2O+O2
→CuCO3・Cu(OH)2(緑青)
緑青色の層として塩基性炭酸銅(CuCO3・Cu(OH)2)−緑青を形成する。
この塩は非溶解であるためこれ以上腐食は進まない。
膜厚が50オングストローム(オングストローム=10-10m)程度になると酸化
(腐食)を抑制する。2.銅の抗菌性
抗菌メカニズムについては、下図に概要を示す。
大腸菌の約50%は銅イオンが40ppb(0.04ppm)に達すると生存できなく
なると推定され、菌数の減少は銅イオンの濃度に作用される。
また、他の菌もほぼ同様であると推定される。チブス菌、コレラ菌等でも
報告されている。